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モノころがし

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聖剣伝説4 第3章 【3】

アニスを洞に訪ねたが不在だった。
アニスはめったに外出しない。最初は全然外出しないというように言っていたが、何度も話をするうち分かった。どうやら時々こっそり出かけているようなのである。
といっても、もし彼女がいるべき場所にいないことが分かったら村中大騒ぎになるし、出かけた先で誰かに鉢合わせてもまずいので、その「散歩」は樹の洞からそう離れない場所を、少し違う空気を吸う程度に、ぐるりまわるだけのようだったけれど。
せっかくの彼女の楽しみを邪魔したくはないのだが、立場上、留守か、それならまたの機会にというわけにもいかず、グランスはアニスを探しに出た。
それに、と思う。
アニスは、「ひとり」にはいつも慣れているはずで。
そう、嫌というくらい慣れているはずで。
だから、「ひとり」でいるのを探しに行っても「邪魔」にはならないんじゃないかと。
そう思った自分に苦笑した。


まとわりつくようだった奇妙な感覚は、樹の洞から出てみると嘘のように消え失せた。
アニスは空を仰ぎ、精霊の力の溢れる宙へと手を伸べる。
どこか頼りない感覚が返る…が、嫌な感じはしない。
安心、したと同時に、新しい不安が生まれた。
外ではない。あの変な感覚は外から来るものではなかった。
けれど、樹の洞では確かに感じていたのだ。
あの、地の底から何かが這い寄ってくるような、感覚。
外から感じたものでないのなら、あれは…
足下が寒くなるような思いだった。

その時、自分の名を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
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