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モノころがし

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めぐりあう

※エンディング後のパラレル設定注意。




虹色の光が渦巻いた。
精霊の力がたゆたう空間に凝縮していく光の先、それが弾けた瞬間。


***

イルージャに帰ってきたのは、友人たちの墓参りと、それから大切な人が守る大樹の様子を見に。
樹の村は相変わらずのようだったけれど、近くに新しい村ができたようだ。
集落をこっそりと抜け、大樹のほうへ向かった。
久々に入った洞にはかつてのしんとした冷たさはなく、そこここに生える小さな草花もあたたかな光を散らしていた。
目を覚まし、静かに命を営む大樹のあたたかさが満ちている。
大空洞まできて、一息をついた。
思い出す。
彼女とふたり、いたあの時。
そしてその時に降ってきた小さな光。
いまはもう、どちらにも手が届かない。
こうやって耳を澄ましても、ここにいるはずの彼女たちの声すら届かなかった。
分かっていたことで、落胆はしないけれど。

りん

小さな音が響いた。
顔を上げると走るのは光。あの時と、同じように。
虹色の光が渦巻いた。
精霊の力がたゆたう空間に凝縮していく光の先、それが弾けた瞬間。


降ってきた。
あの時と似て、でもすこし違う。
小さな肢体。
双葉のようだった髪飾りは、四つ葉に開いている。
開いた瞳も、どこかかつてとは印象がちがう。
けれど。

「フィー?」

名を呼んだ。
ふる、と巡らされる首。

「ちがうの」
フィーじゃないの。

それでも。

一緒にいていい?


あたたかな光が注いでいた。
あの二人のように、つつみこむように。




********

聖剣伝説のモバイルに出てる精霊の女の子がフィーにそっくりなのが切なくて。
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