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モノころがし

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聖剣伝説4 氷狼の子【5】

ストラウドはお前を母親だとは思っていない。
だからお前も無理に母親になろうとする必要はない…
「って言われたのか」
「うん」
鍛練所兼悩み相談室…になりつつある中庭で、彼女は頬を膨らませた。
「そんなんじゃないですって言っても分かりゃしないのよあのガンコなおっさんは!」
「おい」
「あの人がストラウドのことないがしろにしてるとは言わないわよ、けどもうちょいマシな接し方あると思わない、五歳やそこらのガキに対して!」
「待てお前さっきから不敬罪連発してるぞ」
あきれたように言った旧友はしかし、頬杖をついて少し顔をくもらせた。
「しかしなあ……。実はその辺には俺もちょっと責任感じてるんだよなあ…」
「は?なんでアンタが?」
「…お前がこの国の正規兵になった少し前だけどな」
ロリマーの王統は決して古くはなく、揺らいだこともたびたびあった。
そのロリマー王権を確立したのが今の王、ストラウドの父親である。
それまでには大小の戦乱も伴った。
時には決断を迫られることもある。
「真面目な方だからなあ…」
揺らぎそうになる意思に、ひとり悩むことも多かった王へ、時に冷酷になることも必要だと進言する臣下も多かった。
そうした臣の中には、後に王によって処刑された者もいたが、その最期の言葉は「本望」それだけだったという。
それ程に、強い王権を望む声は強かった。
「俺も陛下には随分言ったね。
陛下の迷いのせいで、小隊ひとつ全滅した時には特に。
人質を斬れ、敵の背後を突け、死んだ奴のことなんか考えなくていい……」
はあ、と息をつく。
「もしこの先、陛下か、あの跡継様か、どちらかに死を賜るようなことがあったとして、俺は先に逝った奴みたいに、本望だと思えるんだろうか……」
見つめる彼女の前で、騎士は暗い色を湛えた瞳を閉じた。
「正直、俺は後悔してる」
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